大都会 闘いの日々 第16話 私生活
監督 村川透
脚本 斉藤憐
撮影 山崎善弘
ゲスト いしだあゆみ
夏休みですからアップします!約2ヶ月ぶりの大都会シリーズです。しかも今回は闘いの日々です。
今回はレギュラーコメンテーターのドサ日記さんのリクエストにお応え致します。
元暴力団の岩佐が刺殺された。岩佐は3年前に上岡組に改造拳銃を売り、懲役を受けた前科者でした。
東洋タイムスのバクさん(石原裕次郎)はこの事件の担当者に東洋タイムス家庭部へ異動予定の日高君(寺尾聡)を指名、なにがなんでもこの事件を取材して記事を書け!と家庭部異動阻止のためにハッパをかけます。
岩佐の部屋を捜索する城西署四課、部屋には何やら女の髪の毛があり、ハイビスカスの花が置いてあることから女が部屋に居たことを突き止める。
近所の花屋で聞き込みをしたところ、その花を買ったのは中学校の女性教師・稲村紀子(いしだあゆみ)であることがわかった。
城西署ではその教師が岩佐を殺したのではと推理する。証拠が固まっていないため加賀見係長(中条静夫)は教師のプライベートのことも考え、極秘で捜査するよう指示したが、このお話での真の悪・深町課長(佐藤慶)は武器調達元を一気につぶしたいがためになんと教師の犯行であることを前提に記者会見を開いてしまいます!要するに稲村先生を利用しようということです。酷いね!城西署四課で一番嫌いなのは深町課長です。警察のメンツ重視の深町課長、これが上司ですと最悪ですね(怒り)
記者会見ではマスコミに武器調達のいざこざではないこを誤魔化し、名前は言わないものの教師の犯行と発表する。そうすると東洋新聞以外のマスコミは
こういう記事を書いてしまうんですね。
稲村紀子(いしだあゆみ)に城西署が聞き込みに来ます。稲村先生は生徒、そして親からにも好評な良い先生なんです。稲村先生役のいしだあゆみさん、当時28歳、先日紹介したアワー・コネクションのレコーディングの1年前です。キレイですね。
最初は生徒のことかと思いきや自分のことを聞かれてしまいます。
岩佐が殺されたことに動揺を隠せません。
クロさんを追っかけていた日高より「これはスクープです!名前と顔を発表しても良いか」の許可申請にバクさんは「ダメだ!」
稲村先生は犯行時間の16時には病院に行っていたと言いましたがどの病院か答えてくれません。
クロさんは「プライベートは絶対に守ります!」と言い城西署まで同行してもらったが・・・
いつのまにかマスコミが待ち伏せしていたではないか!!
どこから漏れたのですか?とクロさんが聞くと、丸さん「課長が記者会見を・・・」あちゃー!
またしても深町課長の"暴挙"にクロさんは複雑な表情に・・・。
稲村先生、その日は釈放されるも・・・
証拠不十分なのにこんなこと書かれてしまいます・・・
バクさんは深町課長がウチら(マスコミ)に対して簡単に発表してませんかね~と疑問を持つ、日高には稲村先生の仲の良い友達を取材するよう命ずる。
ムンクでモジモジモードのクロさん、直子さん(篠ヒロコ)は相変わらずキレイ。バクさん曰く「元ヤクザと教師って不吊りあいなんですかね、男と女に不吊りあいは無いよ」と警察が単純に暴力団に襲われた教師の犯行に対して疑問をぶつけます。そしてクロさんに日高から得た取材情報を流します。その情報とは稲村先生の友人から得た情報で、稲村先生は老人ホームのお年寄りや刑務所に服役している受刑者と文通を行っていたことを教えた。クロさん、またしても直子さんとの約束を破棄して、そして真っ先に向かう先は
岩佐の実家であった、岩佐の部屋から稲村先生からの手紙を見つける、その手紙の内容は・・・
回想シーン、実は稲村先生と岩佐は愛し合っていたのだ、恋人関係だったんですね。バクさんの言うとおり男と女に不吊りあいは無い、稲村先生は犯人ではない!
丸さんから「稲村先生が倒れたので至急目黒病院へ急行して欲しい」との指示があり、目黒病院に着き稲村先生の病室を訪ねると、看護師、病院の先生はクロさんを旦那さんと勘違いしたらしく「残念ながら流産です」、稲村先生は妊娠もしていたのです。そして犯行日の一昨日の16時頃を調べるとその時間に稲村先生が居たことがわかり、アリバイ成立です!稲村先生は容疑者ではありません。
クロさんは四課にアリバイ成立であることを報告し、記者会見を行うようお願いしたが・・・
またしても深町課長の邪魔が入る。今ここで記者発表すると武器調達元の暴力団が警戒するため、それは却下。チョコレートを食べている時に聞こうとすると一切聞く耳を持たない課長なんですよね!(怒)
目が覚めた稲村先生、クロさんの存在に気付きますが無視です。
ついには自分らの利益しか考えないマスコミが病院に押し寄せる・・・
またしても酷い記事を書くマスコミ・・・、人権無視ですな。
納得いかないクロさんが城西署に戻ると・・・
稲村先生を利用した城西署四課、極秘捜査で岩佐を殺した暴力団3人を逮捕したのです。
改造拳銃の製造を依頼したが断られ、逆ギレした暴力団に岩佐は殺されたのです。それを報告する日高君、これで家庭部への異動は無くなりました。
稲村先生は無実となりましたが・・・、心無いマスコミにありもしないことを書かれては・・・
バクさん「無実となったが、先生を辞めざるえないだろう」
流産した遺骨を持ち、岩佐の亡骸に報告する稲村先生に一色課長代理(玉川伊佐男)とクロさんが訪れる。一色課長代理は何も無かったことのように冷酷に逮捕報告するだけでクロさんを置いて帰ってしまいます。
さすがのクロさんは帰れません。
稲村先生「あなた方はいつも正しいんですね、私にはその正しさが耐えられません」
クロさん「ほんとに、ほんとに申し訳ないことしました。許していただけるとは思いませんが・・・」
稲村先生「黒岩さん、私ね、ずっと考えていたんですけど、人って間違いを犯す、なんて言うか、権利みたいなのがあるんじゃないでしょうか、それと、間違いを犯した人間は必ず罰を受けなきゃいけないのでしょうか?岩佐は過去の間違いをずっと許してもらえなかった・・・」
稲村先生「ごめんさい、あなた刑事さんだったわね。」
クロさん「・・・・」
エンディング・・・
稲村先生が警察、マスコミに酷いことされてしまいました・・・。
また暴力団から足を洗った岩佐も可哀想でした・・・。
濡れ衣を着せられ、後になって無実となっても世間の目は奇異な目で見てしまうでしょう。
警察、マスコミはいつも正しいとは限らない、なんだかダークネスでとてもキツい気分となりますね。
大都会闘いの日々、やっぱり重過ぎるわ・・・。
森繁と竹脇の親子にも負けない存在感、女優としての活躍もずっと見ていたいものでした。
悪かったけど。篠ひろ子さん、やはり素敵だわ。
目覚まし代わりに杉山清隆&オメガトライブの「スクランブル・クロス」、職場からの帰りの車内は中原めい子「今夜だけDANCE・DANCE・DANCE」、そしてこの大都会「私生活」は日本を発つ直前に見納めで観ました。
しかし、黒さんこの反動で巡査部長になったら、時の課長にことごとく反抗する様になってしまったのでしょうか?だったら、巡査長のこの時も反抗して欲しいなぁ。深町も一色も「仁義無き闘い」に出てくる悪役と何ら変わりませんね。
辛うじて加賀見警部でしょうか、まともなのは。この人とて、深町のいいなり。でも、検察とか警察って今もこんなもの"らしい"です。
いしだあゆみさんって外人の血は入ってないんですかね?なんというか凄みのある綺麗さですね。
ホントに大都会は「特捜最前線」と違った意味で、救い様の無い終わり方です。
またのUP、異国の地より楽しみにしております。
歌手として、女優としてホント一流な方ですよね!
やはりこの頃の俳優さんは今とは一味も二味も違う感じでしょうか。
今回のいしださんも緩急ある演技で笑顔の演技の後の暗い表情がとても痛々しいです。今回のお話に欠かせない存在ですね。
ストーリーはとても上手くまとまっていて、ぐっと引き込まれますね。
とても悲惨な終わり方なのが闘いの日々の特徴ですかね。
篠さんはヤバイです。
クロさん、いつのまにか好きになっちゃたのかな?
男女に不つり合いは無いってバクさんのセリフ、クロさん&直子にも当てはまりますね。男と女、確かに不つり合いは有りませんよね。
ここは有言実行で行きましょう(笑)
歌に演技に絶好調の頃のいしださんの演技、素晴らしいですね。
人は必ず間違いを犯しますからね、間違う権利、認めるべきです。
警察とマスコミは・・・、全て正しいんですかね・・・。
南の島でお疲れ様です。気温はいかがでしょうか?
それにしても音楽が素晴らしいですね。めいこさん聴きたくなりましたよ。
闘いの日々のクロさんは、丸さんにも反抗しませんね。従順なデカを演じてます。PARTⅡがきっかけで課長に反抗する刑事ドラマが多くなったのでしょうかね??
深町課長の人権無視は凄すぎるし、一色さんもかなり冷酷です。加賀見さんはまともですが鶴の一声で言いなりですな。
いしださんのビューティさは好きですね。昭和な女優さん、大好きです。
篠さんとはクロスしなかったのは仕方ないか~。
ホント、ダウナーな気分になるお話ですよね・・・。
次はPARTⅡかな(笑)
倉本聰氏が大都会のメインライターってあまり知られてませんかね?
当ブログでは「俺の愛した ちあきなおみ」「大安」を取り上げております。人間味あふれる重厚なドラマ、しかもそれが刑事ドラマってのが驚きです。
>時代背景も良かったんでしょうかね。
ええ、それは言えますね。今の世知辛い世の中とは違う温かみはその時代にあったかと思います。
また時間作ってアップします。
この闘いの日々は好きです。
石原、渡のメインキャストのさすがの迫力、加えて、以前も書きましたがワキの名優たちの過不足のない台詞回しと表情の自然な造り方。
いしだあゆみ出演のこの回も心にしみました。